ファッションは「脱炭素化」できる?

これまで私たちはネットゼロやカーボンニュートラルについて議論し、ブルーカーボンとグリーンカーボンを比較し、カーボンオフセットの世界にも踏み込んできました。

では「脱炭素化」についてはどうでしょうか?

この言葉は、世界の気候変動議論の中心になりつつあります。

では、ファッション業界で脱炭素化が本当に何を意味するのか、そして真にサスティナブルな産業を構築する上でなぜそれが重要なのかを見ていきましょう。

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ファッションにおける「脱炭素化」とは?

脱炭素化(Decarbonisation)は「除去する」を意味する接頭辞「de」と「炭素」を意味する単語から成り、文字通り炭素を除去または削減することを表します。

端的にいうと、脱炭素化とは生産の全段階における炭素排出量を削減し、最終的に排除するプロセスのことです。

化石燃料からクリーンエネルギーへの転換、効率性の向上、製品の製造・輸送・消費方法について考えることを意味します。

ファッション業界では、まさに「言うは易く行うは難し」という状況です。

綿を栽培して糸を紡ぎ、生地の染色、衣服の縫製に至るまで、ファッション業界は幅広く複雑なサプライチェーンに依存しています。

各工程でエネルギーが消費され、その多くは石炭に依存しています。

アパレル・インパクト研究所によれば、ファッション業界の排出量の約55%は素材製造に起因します。

ですが、ほとんどのブランドはその段階を直接管理しておらず、自社の素材を誰が製造しているかさえ把握していないのです。

調査によると、93%のブランドが原料料の追跡ができていないため、本当の意味での進展を望むのは難しいでしょう。

「カーボンニュートラル」を掲げるのは簡単ですが、真の脱炭素化のためにはより深い変革が求められます。

一時的なオフセットや単なるキャッチフレーズではなく、ブランドとサプライヤーが長期的に協力し、衣服の製造方法そのものを変えていく必要があるのです。

ファッション業界が脱炭素化に苦戦する理由

ファッション業界はなぜ変革の成果が見られないのでしょうか?

その原因は、ファッション業界のサイクルの速いビジネスモデルにあります。

多くのブランドは1年単位の購買サイクルと最低コストでの生産に注力するため、サプライヤーは少ない利益でやっていかなくてはなりません。

再生可能エネルギーやクリーンな機械へシフトするためには長期投資と信頼が必要です。

ですが、スピードと価格競争を前提とした現在のファッション業界の仕組みではそれを実現するのは難しいのです。

サプライヤーが変革を望んでも、財務的安定性やブランドからの明確な約束がなければ実行に移すのはコストの面で困難です。

さらに、世界的な不確実性、関税の変動、地域や国、企業の規模によって再生可能エネルギーへのアクセスが均等ではないことを考えると、課題が山積みであることは明らかです。

つまり、ファッションのシステムは長期的な環境目標のために設計されていないのです。

協力と責任の共有

真の脱炭素化を実現するためには競争ではなくパートナーシップが不可欠です。

単独のブランドが自社のサプライチェーン全体をクリーンにすることはできません。

業界全体が、機会と責任を共有する公正で透明性のある長期的な関係を築く必要があるのです。

その第一歩はサプライチェーンのマッピングです。

つまり、誰が、どこで、どのように生産しているかを把握することです。

これが明確になれば、ブランドは実践的な行動を取ることができるでしょう。

例えば、工場がクリーン技術へ投資できるよう資金支援や長期契約をすること、また、明確な目標と期待値を設定し、進展を確実にすることも重要です。

すでに一部の大企業は石炭火力施設との取引を拒否したり、サプライヤーが再生可能エネルギーへの転換資金に得られるように支援しています。

重要なポイントは、協力には公平性が必要ということです。

サプライヤーが単独でコスト負担を負うことはできません。

変革のコスト、誰が負担すべき?

ファッション業界の脱炭素化するべきだということは誰もが同意していますが、その費用を誰が負担すべきかについては合意が得られていません。

2021年、Fashion for Goodはネットゼロ移行に約1兆米ドルのコストがかかると試算しました。

価格競争で既に圧迫されている工場にとって、これはとても大きな負担となります。

大手ブランドは「自社は工場の生産量のごく一部しか購入していない」として自分たちは責任を負う必要がないと主張しますが、何もしないことにも代償があります。

気候変動による混乱は2030年までに650億ドル相当の衣料品輸出が脅かされる可能性があるのです。

対応が遅れれば遅れるほど、その代償は大きくなります。

それでも希望が持てるのは、資金を共有するモデルが登場していることです。

業界団体と金融期間が支援する「Future Supplier Initiative」は、サプライヤーが資金と技術支援の両方を受けられるようにしています。

もう一つの主要プロジェクト「Renewable Energy Initiative」は、主要な製造地域に風力発電を導入するための投資を行っています。

これらの事例は、ブランド、銀行、政府が責任を共有することで、最も速く進展してゆくことを証明しています。

ファッション脱炭素化旅はまだ始まったばかりですが、むべき道筋はえ始めています。

クリンな技はすでに存在し、調達システムは展し、人々の意は高まっています。

今、欠けているは「決意」すぐに行する勇です。

全てのどのブランドもその役割を果たすことができます。

例えば、再生可能エネルギで稼する工ぶこと、リサイクルや修理システムを支援すること、短期的なコスト削減よりも期的なサプライヤー関係を重することなどです。

エシカルコネクションズでは、脱炭素化された未来へ積極的に向かうブランドだけを支援します

人、物、海、大地、空を大切にするブランドです。

化は一夜にして起こりませんが、私たち下す断一つ一つから始まります。

そうすることで、ファッションは炭素依存型から気候に優しい産業へと一歩ずつ進化していけることでしょう

 

【出典】
https://goodonyou.eco/decarbonising-fashion/

 

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