「堆肥化可能」と「生分解性」その違いは?

近年、日本でもパッケージに「生分解性(Biodegradable)」や「堆肥化可能(Compostable)」と表示されている製品をよく見かけるようになりました。

それがサスティナブルな選択肢だと考えるのは簡単ですが、必ずしもそうとは限りません。

実際、グリーンウォッシュ(環境に配慮したように見せかける不当表示)が行われやすい分野でもあります。

生分解性と堆肥化可能

よりサスティナブルな選択をしてゆくために、この2つの言葉の意味を詳しく見ていきましょう。

生分解性(Biodegradable)

バクテリア、菌類、微生物などの働きによって、水やCO2,バイオマスに自然界で分解されるものを指す。

どんなものでもいつかは生分解されるが、素材によっては分解されるまでの期間が何世紀にも及ぶものもあれば、何千年にも及ぶものもある。
重要なことは、生分解性が必ずしもその製品や素材が安全に自然に戻ることを意味しないということである。
有毒な化学物質やガス、マイクロプラスチックを環境中に放出する可能性があるものもあります。

堆肥化可能(Compostable)

堆肥化可能な素材は、人間が管理する特定の条件下で、天然で無害なバイオマス、有機化合物、無機化合物、CO2、水に分解される。

微生物、酸素、湿度、熱は、堆肥化プロセスを実現する鍵となる。

堆肥化の仕組み

堆肥化は、コンポストを用いて家庭で行われることもあれば、産業施設で行われることもあります。

産業施設ではより高温で行われることが多く、これらの条件によって堆肥の分解量と分解速度が決まります。

重要なのは、堆肥化は埋立地ではできないということです。

堆肥化可能な製品でもゴミに捨ててしまうと、その製品の持続可能性が失われてしまうのです。

埋立地では、堆肥化できたはずの有機物が酸素不足のために嫌気的条件下で分解され、強力な温室効果ガスであるメタンが発生してしまいます。

つまり、埋立地へ送らずに堆肥化することでメタンの排出を減らすことができるのです。

堆肥化の様々な側面

堆肥化には、窒素肥料の必要性を減らし、土壌の保水性を高め、浸食を防ぐという利点もあります。

このように堆肥化は持続可能な素晴らしい解決策のひとつです。

しかし一方で、分解された素材が必ずしも栄養豊富とは限らないこと、そして堆肥化のし過ぎは土壌や植物に害を及ぼす可能性があることを念頭に置く必要があります。

生分解性のものは、堆肥化可能なのか?

必ずしもそうとは限りません。

堆肥化可能なものはすべて生分解可能ですが、生分解可能なものすべてが堆肥化可能なわけではありません。

消費者が見るラベルでは、堆肥化可能性は、製品がどの程度の速さで、どのような条件で分解されるべきかを示す認証や基準によって定義されています。

これとは対照的に、生分解性は同じような精査の対象ではないため、どの程度早く分解され、それが環境にどのような影響を与えるかを示す根拠を必要とせず、製品ラベルに使用することができます。

そこで、ブランドは、サスティナビリティのための取り組みを行っていることを示すために、グリーンウォッシュを利用するのです。

生分解性のグリーンウォッシュ

生分解性に関する製品表示は、グリーンウォッシュのリスクが高いです。

生分解性という用語は、意図的に堆肥化可能認定製品に似せて作られた堆肥化不可能な製品を表すのに使われてしまう場合がよくあります。

このような製品は一般的に「そっくりさん」と呼ばれ、堆肥施設における汚染の主な原因となっています。

だからこそ、消費者がその違いを理解し、自分が何を購入し、最終的に何を廃棄するのかを意識することが本当に重要なのです。

もうひとつの重要な問題は、100%天然繊維(リネンやコットンなど)で作られた製品を堆肥化可能であると表示することです。

実際には堆肥化可能であるとは限りません。

生地の加工に使用される化学物質、染料、処理剤、合成繊維のステッチ、ボタン、ジッパーなどの部品は、堆肥化可能とみなされません。

プラスチックはどうでしょう?

プラスチックに関しては、特に多くの種類があるため、さらに複雑です。

プラスチックが生分解するかどうか、またどの程度早く分解するかは以下の条件によります。
1)生分解もしくは堆肥化するように設計されているか
2)使用後、どのような環境にどれくらいの期間さらされるか

バイオベースプラスチック(バイオプラスチック)とは、化石燃料の代わりに生物由来の材料を使用して作られるプラスチックのことです。

そのため、堆肥化や生分解が可能だと思われがちですが、必ずしもそうではありません。

バイオプラスチックが生分解するかどうかは、それがどのように設計され、どのような条件にさらされるかによるのです。

これからは、堆肥化可能や生分解性を売りにしているものを見かけたら、規格や認証、分解に必要な条件や時間の説明が添えられているかどうかをチェックしてください。

成分にも目を向けて見ましょう。

そうすれば、あなたにとっても地球にとってもより良い決断ができるはずです。

 

【出典】

https://goodonyou.eco/compostable-vs-biodegradable/

 

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