“Made In”ラベルは誤解を招く?

原産国表示ラベルは、製品の全体像を示しているのでしょうか。

日本、英国、イタリアの規則では、衣料品は縫製などの「一次製造」を行った国が製品に表示される原産国になります。

しかし、材料がどこで調達されたかは明示されません。

なので、これらの国々では、すべての部品をさまざまな国で製造していても、原産国で組み立てをしていれば「原産国製」と主張することが可能なのです。

つまり「Made in Japan」の製品を購入しても、地球上の他の場所で調達した粗悪な材料が使用され、劣悪な環境下で生産された場合、必ずしもエシカルでサスティナブルな製品とは言えないのです。

ブランドは「実質的な変更」をされた場所を生産国表示に使用しますが、これはとても曖昧です。この表示は厳密に規制された場合にのみ消費者を保護することができるものです。

衣料品のグローバルな旅

原産国ラベルがいかに不十分であるか、グローバルな旅をするTシャツを例にとって検証してみましょう。

綿花の調達:綿花はインドで栽培・収穫されると仮定しよう

生地の生産:原綿は中国に送られ、そこで紡績されて生地になる

染色とプリント:生地はバングラデシュで染められ、プリントされる

アクセサリー:ラベル、ボタン、糸はトルコ産かもしれない

最終的な組み立て: そして最終的にTシャツはイタリアで縫製され、「Made in Italy」のラベルが貼られる。

Made in Italy」と表示されているにもかかわらず、このTシャツには4つの異なる国で作られた部品が使用されており、それぞれがさまざまな段階でその製造に関わっています。

これは、原産国表示がいかに誤解を招き、衣服のサプライチェーンの全体像を示していないかを表しています。

このTシャツの道のりを辿ると、この商品を作るための工数のおよそ50%しか、最終段階のイタリアで行われていないことがわかります。

原産国ラベルは、それ以前の50%を費やされた時間や使用された素材についてはまったく考慮されていません。

グローバル生産における問題点

グローバル化によってサプライチェーンの追跡はさらに困難になり、ブランドは搾取が横行する複雑なサプライチェーンを隠すことができるようになりました。

多くのファストファッションブランドは、労働コストが低く、人権や労働法がしばしば侵害され搾取につながる国からサプライヤーを選んでいるのです。

主要な衣料品生産国のいくつかでは、衣料品労働者は過度な労働時間、強制的な残業、雇用保障の欠如、セクハラ、差別に直面しています。

生産が遠方の地で行われている場合、ブランドに責任を負わせ、服を作っている人々の幸福を保証することはとても難しいのです。

だからこそサプライチェーンの透明性を確保することはとても重要です。

現地生産がこのような事態を避けるのに役立つという主張もあります。

国内生産品を買うのが正解?

地元で生産された服は割高になるかもしれませんが、それだけ支払う価値はあるのでしょうか。

理屈の上では、地元で生産しているほうが、地元の環境に悪影響を与えているかどうかを知ることができるため、ブランドの責任を追及しやすいことになります。

しかし、実際にはそう単純ではありません。

たとえブランドが地元の近くで生産していたとしても、サプライチェーン全体がその場に拠点を置いている可能性は低いのです。

さらに、地元産だからといって必ずしも労働条件が良いとは限りません。

イギリス、アメリカ、イタリアでの低賃金や安全でない環境に対する批判もあり、これらの西洋化された国でさえファッションアイテムを製造する現場に懸念があることを浮き彫りにしています。

ブランド選びは慎重に

国内で生産しているブランドから購入することは、悪影響を最小限に抑えるための慣行を実践していることを示す証拠があるのであれば良い選択となり得ます。

それは、より多くの説明責任とトレーサビリティを意味し、ファストファッション大手の私腹を肥やすのではなく、地元企業を支援する行為になるでしょう。

しかし、ファッションのサプライチェーンは非常に複雑であり、完全に100%地元産である可能性は低いのです。

私たちがどこで服を買おうとも、その服はすでに何らかの形で世界中を旅し、その過程で環境に悪影響を与えている可能性が高いのです。

結局のところ、あなたがサポートすることを選んだブランドが、世界のどこであろうと、サプライチェーン全体でどのように影響を管理しているかが重要なのです。

ラベルの背景を考慮しよう

次に買い物をするときは、国内産のものしか買わないと考えるのではなく、ファストファッションやサプライチェーンに責任を持たないことで知られるブランドを避けることを考えてみましょう。

Made in」ラベルを読むだけでは、どの服を買うべきかの十分な目安にならないかもしれないことを知っておいてください。

そして、もしラベルによって失敗したとしても、服を買う回数を減らしたり、中古品を選んだりすることが、人と地球と動物にとってより良い未来を築くための確実な方法であることを忘れないでください。

 

【出典】

https://goodonyou.eco/is-locally-made-better/

 

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