SHEINの服から有害な化学物質を検出
以前、私たちはSHEINの日本進出についてブログを書きましたが、これはよりエシカルでサステナブルなファッションの普及を阻む悲しい一撃だと考えていました。
そして今、CBCの調査によって浮き彫りにされ、最近エシカル・ファッション・ブログ「Good on You」によって共有された環境化学者ミリアム・ダイアモンドのリサーチにより、SHEINのような人気ブランドの衣料品から驚くべきレベルの有害化学物質が検出されたというさらに大きな衝撃を与えられることとなりました。
この調査では、検査されたアイテムの5点に1点に、鉛、PFAS、フタル酸エステル類を含む有害化学物質が含まれていることが判明しました。
SHEINに関する最初のブログはこちら
>エシカルファッションに大きな衝撃!「SHEIN」が1号店を日本にオープン
ファストファッションの有害化学物質の調査
ファストファッションは、サプライチェーンにおける労働者の搾取から環境破壊に至るまで、その無数の問題で悪名高い。
その中であまり議論されていないのが、ファストファッションに含まれる有害化学物質の影響ではないでしょうか。
私たちは、服の製造過程の労働者に重大な健康リスクがあることを知っていますが、実際に服を着用する消費者の健康リスクについて考えたことがあるでしょうか。
ミリアム・ダイアモンドによる研究では、子供服と大人服、アクセサリーの38サンプルが調査されました。
その結果は憂慮すべきものでした。
なんと、SHEINのキッズ用ジャケットには、安全な量の20倍もの鉛が含まれていたのです。
特に子供の場合、鉛に触れることは脳や神経系にダメージを与え、成長や行動に影響を与える可能性があるのです。
化学物質で覆われた服を秘密裏に売り出すのは、SHEINに限ったことではありません。
ZafulやAliExpressのようなブランドも、生殖ホルモンの乱れや小児喘息のリスク上昇につながるフタル酸エステル(耐久性を高めるためにプラスチックに使用される)のような有害化学物質が高濃度に含まれた商品を販売しているのです。
なぜ衣料品に有害化学物質を使用するのか?
健康に重大な影響を及ぼすにもかかわらず、ファストファッションブランドは危険な化学物質を使い続けています。
その化学物質は着色のために使用されていると考えられますが、要するにブランドは安全性よりも利益を優先しているということです。
推定1,000億ドル規模のSHEINは、格子窓の使用、工場での従業員の酷使、そして現在証明されている危険なレベルの化学物質を衣服に使用しているのです。
これは、ファッション業界がエシカルな視点を持てていないことを証明する一例です。
労働者はどれほど過酷な環境にいるのか
もし私たち消費者が有害物質にされているなら、労働者はもっとひどい状況にあるに違いありません。
ファッションにおける化学物質の使用は、生地の染色、漂白、加工に不可欠です。
例えば、ビスコースの生産には二硫化炭素のような有毒化学物質が使用されており、工場労働者や近隣の地域社会に精神病や冠状動脈性心臓病を含む深刻な健康リスクをもたらします。
ファストファッションの生産に見られる劣悪な慣行や化学物質の多くは、欧米諸国で施行されている厳しい労働・環境規制に違反しています。
これらの欧米諸国での規制は、労働者と環境の双方を有害物質にさらされることから守るためのものです。
しかし、一部の製造国では規制の枠組みがないためにこうした危険な慣行が続いているため、グローバルスタンダードと消費者が意識を持って選択することの重要性が浮き彫りとなっているのです。
ファストファッションは変われないのか?
ブランドは、安全な生産方法に責任を持たなければならなりません。
非フタル酸系可塑剤より安全な染料など、有害な化学物質に代わるものは存在します。
ビスコースは責任を持って生産されれば、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維に比べ、より低負荷の素材となりうるのです。
持続可能性に向けて前進しているブランドもあります。
ファッション企業14社は、2025年までにビスコースのサプライチェーンを浄化することを約束し、非営利団体ZDHCは有害な化学物質をファッション業界から排除することを目的にMRSL(製造制限物質リスト)を公開しています。
しかし、このような取り組みはSHEINのような企業にとって利益を圧迫する都合の悪いものなので、私たち消費者が企業に要求し、エシカルでない方法で作られた衣料品を買うのをやめるまで、企業は悪い慣行を続けることでしょう。
消費者にできること
労働者の権利や環境保護のためにSHEINを買わないことに納得できなかった人でも、おそらくこれでようやく、自分の健康を損なう恐れがあるこのブランドや類似ブランドを避けることでしょう。
私たち消費者が知識を身につけ、意識的に行動することでファストファッション業界に良い変化をもたらすことができます。
例えば、GOTSのような有害な化学物質の使用がより少ないことを保証する認証を求めることもそのひとつです。
さらに、量より質にこだわる、中古品を買う、修理するなどの買い物習慣を変えることで、廃棄物や化学物質への接触を減らすことができることでしょう。
【出典】
https://goodonyou.eco/chemicals-in-fast-fashion/
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