Sense & Sustainability〜サーキュラー・エコノミーの必読書
サスティナビリティについて語るとき、リサイクル、エネルギー効率、エコ・フレンドリーな買い物といったワードに話題が流れがちです。
しかし、ケン・ウェブスター著「Sense & Sustainability」は、このような一般的な概念に挑戦し、循環型モデルを通して持続可能性へのアプローチ方法について新鮮な視点を提供しながら、より深く掘り下げています。
循環型やサスティナビリティに興味のある方にぜひ手に取っていただきたい一冊です。
この本の重要性
この本は、環境危機を「リサイクル」で乗り切ろうという考え方に疑問を投げかけています。
特に、ファッションブランドは持続可能性の中心的戦略としてリサイクルに大きく傾いていることが多いです。
消費者は、後で「リサイクル」さえすれば、欲しいものは何でも買うことができると信じ込まされていますが、「Sense & Sustainability」は、これが問題に対する真の解決策ではないことを示しています。
もしリサイクルが過剰消費後の消費者の罪悪感を和らげるための手段でしかないのなら、私たちは根本的な問題に取り組んでいないことになります。
悪いことを減らすのではなく、プラスの影響がマイナスをはるかに上回るようなシステムを作ることが重要なのです。
自然界から着想を得た新たな視点
「Sense & Sustainability」の内容で目を見張る点は、自然を模倣することに重点を置いている点です。
自然界では無駄なものは何もなく、すべてが継続的なサイクルの一部となっています。
もし、ファッション業界が自然界と同じように生産されたすべてのアイテムが廃棄物にならずにサイクルシステムに還元されるとしたらどうでしょう。
この本では、「Cradle to cradle (ゆりかごからゆりかごまで) 」のコンセプトを紹介しています。
それはサスティナブルなコンセプトのひとつで、製品が使用後に完全に再利用、リサイクル、または安全に分解されるように設計され、廃棄物や環境負荷を最小限に抑えられるような循環型のライフサイクルで作られることを意味します。
つまり、地球というゆりかごから得た資源を廃棄するのではなく、再びゆりかごである地球に戻し、循環させるという考え方です。
一方で、「cradle to grave (ゆりかごから墓場まで) 」は対象的な直線的なアプローチです。
これは、製品が製造され使用された後、廃棄物として捨てられ、多くの場合埋め立て地や焼却場に行き着き、汚染や資源の枯渇につながるものです。
真のサスティナビリティを実現するためには、自然界の継続的なサイクルシステムに調和し、新たな素材やエネルギー消費を削減するよう努力しなければなりません。
変化への適応
この本を読むと、「地球を救う」のではなく、「古いシステムを時代遅れにするような新しいシステムを構築する」ことが重要なのだと思い知らされます。
もしあなたがエシカルファッションに興味があるなら、あるいは地球の未来に関心があるならぜひ「Sense & Sustainability」を手に取ることをお勧めします。
残念ながら現在英語版しかありませんが、読み通す価値のあるお勧めの本です。
【出典】
https://www.goodreads.com/book/show/7522358-sense-and-sustainability
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