SHEINのライバル「Temu」 が日本上陸

ここ最近、インターネットでアイテムを検索した時、Temuのとんでもなく安い価格の商品が表示されたことがありませんでしたか。

Temu(ティームー)は日本では2023年7月より事業を開始したオンラインショッピングサイトです。

SHEINと同様、積極的な広告と超低価格を武器に掘り出し物を求める消費者の間で人気を博しています。

その成長は前例がないほどで、わずか1年でSHEINでさえ10年かかった規模にまで成長しました。

この急成長の裏では、環境のサスティナビリティ、労働者の権利、エシカルなビジネス慣行の面でかなりの代償を払っています。

持続不可能な成長ペース

中国企業拼多多(Pinduoduo、ピンドゥオドゥオ)が立ち上げたTemuは、2022年に米国で発売されて以来急成長を遂げ、2023年にはオーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパ、日本など他の地域にも進出しました。

Temuは、マス広告やアメリカのスーパーボウルのような注目を集めるイベントを活用して多くの視聴者に広告を届けたり、巨額のクーポンを配布したりという戦略を取っています。

「Shop like a millionaire(大富豪のように買い物をしよう)」というスローガンは、世界的なインフレに逆行するブランドの魅力を表現していますが、彼らのビジネスモデルを苦しめている過剰生産と過剰消費という深い問題を覆い隠しています。

現実には、大富豪が求めるのは高級で高品質な商品であり、Temuのような使い捨ての粗悪品ではありません。

エシカルな視点からの懸念と透明性の欠如

TemuとSHEINの両ブランドは、強制労働や知的財産の盗用など、さまざまな論争を巻き起こしています。

特に人権侵害が報告されている中国の新疆ウイグル自治区のような地域から製品を調達していることが問題視されています。

Temuのビジネス慣行、特にその不透明な労働や環境方針は、エシカルの格付けをしているサイトGood On Youにて「We Avoid(避けるべき)」という最低ランクに格付けされました。

恒常的な値引きやゲームのような要素を含むTemuのプロモーション戦略は、小売業というよりオンラインギャンブルに似ており、執拗な消費主義を助長するものです。

激安ファッションの本当の代償

消費者として、低価格商品の隠れたコストを認識することはとても大切なことです。

TemuやSHEINの商品に付けられた魅惑の値札は、労働者の公正な賃金やサスティナブルな生産方法を実現するものではありません。

さらに、このような低価格の商品が私たちのニーズを満たすと誤解してはいけません。

低価格の製品は本来の目的を果たせず、買ってすぐに廃棄物となる場合が多いのです。

本当は、最初からもっと質の良いものを選ぶ方が地球に良いだけでなく、自分自身にとっても有益です。

仮に環境問題を度外視したとしても、Temuでのショッピングは消費者に長期的な利益をもたらしません。

単に魅惑的な広告によって購買意欲がそそられるにすぎないのです。

情報に基づいた選択をしよう

日本や世界の消費者にとって、消費の影響を理解することはとても大切です。

TemuやSHEINは便利に買い物できる選択肢のように感じますが、そのやり方は環境破壊や社会的不公正を助長させるものです。

意識を持った消費者として、生産過程に透明性がありエシカルな基準を遵守しているブランドを探すことは欠かせません。

日本の消費者は目が肥えていることで有名で、それはこれからも守られていくべきでしょう。

エシカルな慣習、高品質な製品、メイドインジャパンを優先するブランドを支援することで、消費者はファッション業界をより責任ある未来へと導くことができるのです。

今、私たちは皆、衝動的に安い買い物をすることはサスティナブルでないことを心の底から理解しています。

何でもすぐに手に入る時代になったことで、私たちはどん底に突き落とされました。

今こそ、どのような素材でどのように作られているのか、そのストーリーに価値を見出し特別な品々への感謝の気持ちを取り戻す時です。

これからの新しい時代の消費者は、手に入りやすいものだけでなく意味のあるものに満足感を見出すようになっていくことが求められています。


【出典】
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee1c937901b54dc5ca6205af613fd5d207fc7576?page=1

https://toyokeizai.net/articles/-/715541

https://goodonyou.eco/how-ethical-is-temu/