サーキュラーエコノミーが日本の国家戦略に
2024年8月、「第5次循環型社会形成推進基本計画」が閣議決定され、日本は国家戦略の中核としてサーキュラーエコノミー(循環型経済)を正式に採用する重要な一歩を踏み出しました。
この動きは、2050年までにカーボンニュートラルを目指すという日本の広範なビジョンに沿ったものです。
気候変動、公害、資源の枯渇を防ぐとともに、産業競争力の強化と地域活性化を目指しています。
日本の循環型経済促進に向けた政策
「第5次循環型社会形成推進基本計画」は、廃棄物の抑制、資源の有効利用、リサイクルの推進を各分野にわたって総合的に推進するための枠組みです。
この計画は、日本の廃棄物管理とリサイクルの課題に体系的に取り組むことを目的とした、2000年代初頭から導入されたこれまでの第1次基本計画から第4次基本計画に基づくものです。
第4次基本計画は2018年に採択され、資源循環、リサイクルの推進、廃棄物適正処理の枠組みの確立に焦点を当てたものでした。
2024年に採択された新たな第5次基本計画では、廃棄物管理のインフラ強化や資源循環システムの強化など、現在の課題と優先事項を反映させるために、これらの目標を更新しています。
第5次基本計画は、大量生産・大量消費の経済から、循環型モデルへの転換の必要性を強調しています。
循環型モデルとは、資源を可能な限り長く使用し続け、その価値を最大限に高めてから、プロダクトライフサイクルの終わりで資源を回収・再生するものです。
第5次基本計画の5つの重点分野
第5次基本計画では、日本が循環型経済へ移行していくために重要な5つの重点分野の概要を示しています。
1.包括的な資源リサイクル
設計から廃棄まで、製品のライフサイクル全体を通じて資源をリサイクルするために、企業間の協力を奨励する。
2.インフラの強化
廃棄物管理システムを改善、適切な廃棄方法を確保し、必要に応じて環境修復を促すことに重点を置く。
3.国際資源循環
国際協力と日本のリサイクル産業の海外展開を促進する。
4.循環型技術イノベーションの推進
循環原則に沿ったリサイクル技術、持続可能な素材、新しいビジネスモデルの研究開発を促進する。
5.国民の認識と協力
政府、企業、市民間の協力を促進しながら、循環型経済慣行に対する市民の理解と関与を高めることを目指す。
これらの努力は、2030年と2050年の長期目標を定めたより広範な国家ロードマップの一部であり、資源効率を高め、廃棄物を最小限に抑えるという包括的な目標を掲げています。
サーキュラーエコノミーとエシカルファッション
環境負荷が大きいことで知られるファッション業界にとって、日本の新たな循環型経済戦略はチャレンジであり好機でもあります。
エシカルファッションブランドは、製品のライフサイクルにおける設計、調達、管理方法を見直しなど、業界を良い方向へリードする立場にあります。
政府は企業に対し、繊維廃棄物の削減、リサイクル生地の使用、耐久性があり修理可能な衣服のデザインなど、持続可能な慣行を採用するよう働きかけています。
MUD Jeansのようなブランドは、ジーンズのリースやリサイクルコットンの使用など、すでにサーキュラービジネスモデルを実践しており、ファッションの良い未来を示す見本となっています。
循環型の原則をオペレーションに組み込むことで、ブランドは廃棄物を最小限に抑え、政府のより広範な持続可能性の目標に沿うことができるでしょう。
消費者への影響と機会
消費者にとって、循環型経済へのシフトはサスティナブルなファッションの選択肢を広げることになるでしょう。
手に入れやすくなるだけでなく、修理が可能で長持ちする製品や、衣類のレンタルサービスも増え、消費者は従来のファストファッションの早い消費サイクルに代わるたくさんの選択肢の中から選べるようになります。
エシカルファッションブランドにとって、このシフトはより持続可能な未来に向けて業界を革新し、リードする機会となります。
日本が循環型経済へと移行するにつれ、企業と消費者の両方がより環境に優しく、より強靭な世界の実現に貢献することができることでしょう。
【出典】
https://maintainable.jp/english/circular-economy/08/09/2024/
https://g20mpl.org/partners/japan
https://www.env.go.jp/content/000243000.pdf
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