クラフトはファッションを救える?
昨年、Safia Minney (サフィア ミニー)は新しいブランド「Indilisi(インディリシ)」を立ち上げました。
このブランドは、手仕事の温もりを大切にした洋服作りを中心に、オーガニックコットン、フェアトレード生産、そして伝統的な技術を守ることをテーマにしています。
同コレクションは、バングラデシュやインドの職人、社会的企業と密接に連携し、手織り、手刺繍、手仕立ての衣服を生み出しています。
その目的は、ファッションサイクルのスピードを少し緩めて、衣服と作り手とのつながりを取り戻すことです。
このプロジェクトを知った時、私自身の記憶もふっとよみがえりました。
というのも、私がエシカルファッションの世界に足を踏み入れたきっかけは、まさにクラフトを基盤とした生産活動にあり、サフィア ミニーとの出会いにとても恩を感じているのです。
その物語は、今から10年以上前にさかのぼります。

スローファッションとの出会い
年月を重ねるにつれ、サフィアやエシカルファッションとの繋がりは深まっていきました。
私が初めてPeople Tree(ピープルツリー)のチームと出会ったのは2011年でした。
東北でのボランティア活動を通じて出会い、そのご縁からサフィア ミニーとすぐに親しくなり、ピープルツリーのモデルを務めるようになりました。
この経験が他とは一線を画していたのは、彼らの取り組みに心から共感していたからです。
自分が大切に思うことに対して、燃えるような情熱を持ってモデルを務め、その「報酬」として受け取った服を誇りに思い、世界中にそのことを発信していました。
だからこそ、決して単なるビジネスのように感じられることはありませんでした。
2013年、私はPeople Treeのアンバサダー兼モデルとしてバングラデシュを訪れ、エシカルファッションの生産現場を間近で見ることができました。
それは、多くの人が抱くファッション業界のイメージとは全く違うものでした。
そこでは、トレンドや利益だけでなく、職人技、労働環境、尊厳、そして服の背後にある服を作る方々の人生そのものに焦点が当てられていたのです。
その後の数年間、私は幸運にもサフィアの著書『Slow Fashion』と『Naked Fashion』に登場させていただき、モデルという立場からエシカルファッションや意識的な消費を促す上でどのような役割を果たせるのか、私の考えを語ることができました。
今振り返ってみると、スローファッション、過剰消費、職人技、そして人々と衣服のつながりなど、今日盛んに語られている多くの話題が、10年以上も前にそのコミュニティ内で深く議論されていたことは、とても興味深いものです。
ファッションが「速さ」にとらわれてしまった理由
サステナビリティという言葉が今のように一般的になる前から、スローファッションの世界では、トレンドの変化の速さ、規模の大きさ、使い捨て文化に疑問を投げかけていました。
その時期、私の印象に強く残ったのは、スローファッションの世界は一般的なファッション業界と全く違っていたことです。
そこでは、当時からトレンドや成長、あるいは際限のない大量消費を重視していませんでした。
価値、耐久性、責任、職人技など、ファッションが本来持っている深い問いが投げかけられていたのです。
現在のサステナビリティの議論は、主にテクノロジーに注目が集まりがちです。
例えば・・・
• リサイクル素材
• カーボン削減
• サプライチェーンの可視化
• 新しい生地の開発
これらどれも大切なことです。
ですが、ファッションの「人」の部分が忘れ去られているように感じられることもあります。

なぜ今も職人技が重要なのか
職人の技術はファッションに特別な価値をもたらします。
それは人と人のつながりです。
誰かが時間をかけて手作業で仕上げたり、代々受け継がれてきた技術を用いることでその製品には深い意味が宿ります。
だからこそ、手仕事の服には特別な価値を感じるようになります。
こうした服は、長く愛用し続け、修理し、大切にしたくなるでしょう。
なので、職人技はファッションのスピード感を自然に緩やかにします。
もちろん、クラフトだけでファッションの「問題」を解決できるわけではありません。
ハンドメイドの生産は時間がかかり、規模を大きくすることが難しく、多くの場合コストも高くなります。
エシカルファッションには依然として、見つけやすさや価格、そしてウルトラファストファッションの巨人たちとの競争という課題が今も大きく立ちはだかっています。
もしかすると、この問題を解決するヒントは、服作りと人の技をつなぎ直すことにあるのかもしれません。

Human Fingerprints〜人の手のぬくもり
Ethical Connectionsでは、今のところIndilisiの商品を扱っておりませんが、かつてPeople Treeがそうであったように、私たちは全面的な支持と敬意を寄せています。
People Treeは、フェアトレードファッションを世界に広めた先駆けブランドの一つで、エシカルファッション運動に関わる多くの人々に大きな影響を与えました。
もちろん、私自身もそのうちの一人です。
私たちは、ファッションにおける職人技と人のつながりを大切にするブランドを、これからも応援していきたいと考えています。
例えば、私たちが扱っている「Nannacay」はその代表的な存在です。
その製品には、手仕事の温もりや技術、そして今日ではますます希少になりつつあるファッションの「人間味」が反映されています。
大量生産と無限の消費に支配されるこの世界で、私たちが身にまとうものの中に「人の手跡」を見出すことには、何か力強いものがあります。
ファッションに必要なのは、最新のテクノロジーだけではないのかもしれません。
そこには、もっと「人間性らしさ」も必要とされているのでしょう。
Nannacayについて詳しくはこちら
>NANNACAY – 南アメリカの職人をサポートするハンドメイドバック!
サフィアについて詳しくはこちら
>再生可能なファッションの未来
【出典】
https://www.anxiety.eco/p/craft-can-fix-fashion
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