エシカルなファッション素材〜竹、麻、そしてその先へ
近年、ファッション業界は環境やエシカル面への負荷があらわになってきています。
特にファストファッションは、汚染、廃棄物、労働搾取の原因となっているとして批判されています。
その結果、ファッション業界ではよりサスティナブルでエシカルであることを目指す動きが活発になってきています。
これまでファッション素材における大きな問題は、環境にダメージを与えうるコットンを使用することでした。
従来の綿花は栽培のために世界の殺虫剤の約25%を消費するほどで、有毒な農薬に大きく依存しています。
これらの化学物質は農場で働く人々や野生動物に害を与えるだけでなく、空中散布によって近隣の地域にも悪影響を及ぼす可能性もあります。
しかも、同じ土壌で栽培され続けることが多く、土壌の質や栄養素を枯渇させてしまうのです。
その結果、不健康な作物ができ、しかもより多くの水が必要となってしまいます。
一方、オーガニックコットンの栽培では、いくつかの農作物を何年かに1回のサイクルで作って行く輪作を行います。
そのため、有害な農薬や殺虫剤を使用しない、健康的な植物を育てることができるのです。
コットンはファッション業界における主要な素材であり、世界中の衣料品の約75%に少なくともある程度の量のコットンが使用されています。
そのため、従来の綿花栽培にまつわる環境負荷を軽減するために、よりエシカルな素材へとシフトしていく必要があることは明らかです。
こうした懸念に払拭するように、ファッション業界では従来の素材の代わりになるエシカル素材への注目度が高まっています。
このブログでは、今もっとも人気のある8つにエシカル素材を紹介します。
1. オーガニックコットン
オーガニックコットンは、合成農薬や化学肥料を使用せずに栽培されるため、従来のコットンよりも地球に優しい素材です。
オーガニックコットン栽培では、輪作を行い被覆作物(空いている土地に栽培される収穫を目的にしない植物のこと)を植えることで、土壌の生物多様性を促し、肥沃さを保ちます。
コットン製品を選ぶ際には、GOTS(Global Organic Textile Standard)などの認証を受けているものを選ぶと、純粋にオーガニックコットンであることを確認することができます。
2. ヘンプ(麻)
ヘンプは、汎用性が高く、環境に優しい、サスティナブルな生地として注目されています。
麻由来のヘンプは何千年もの間、ロープから紙まであらゆるものの製造に使われてきました。
麻の栽培に必要な水量は少なく、農薬も必要ないため環境への負荷が少ないのが特徴です。
さらに、麻のは他の多くの植物よりもCO2を吸収するため、CO2排出量よりも吸収量の方が多いカーボンネガティブな素材なのです。
ヘンプで作られた衣服は、長持ちし、通気性もよく、紫外線やカビにも強いです。
また、ヘンプは生分解性であるため時間が経つにつれて分解されるので、マイクロプラスチック汚染という深刻な問題とは無縁です。
すでにいくつかの人気ファッションブランドは、商品にヘンプを取り入れ始めています。これから業界がサスティナブルであることを重視するにつれて、さらにヘンプを目にする機会が増えるかもしれません。
画像引用:https://www.instagram.com/p/B9X-slbJVhu/
3. テンセル
テンセルは、サスティナブルな方法で調達された主にユーカリの木などの木材パルプを原料としたリヨセル繊維の一種です。
テンセルは、木材パルプを分解するために使用した溶剤を回収して再利用する循環型であるクローズドループな製造工程なので、廃棄物や汚染を最小限に抑えることができます。
また、テンセルは生分解性があり、リサイクルも可能なため、環境に優しい素材であることが証明されています。
テンセルを使用した衣服は、柔らかく通気性があり、吸湿性もあるため、快適で実用的な素材です。
ここ数年、テンセルの人気はますます高まっており、多くのファッションブランドが取り入れています。
4. Lenzing Modal(レンチングモダール)
レンチングモダールは、オーストリアのレンチング社が生産するサスティナブルな繊維です。
この繊維はサスティナブルな方法で調達されたブナ材由来であり、クローズドループな生産工程で作られています。
環境負荷を最小限に抑え、資源を保護するエコフレンドリーな素材です。
レンチングモダールは生分解性があり、そのサスティナブルな出どころまでさかのぼって知ることができます。
サスティナブルさと品質・性能を兼ね備えた繊維として、環境意識の高いファッションブランドに選ばれています。
エシカルで環境に優しい取り組みを応援するために、レンチング モダールを使用した衣類をぜひ探してみてください!
5. リサイクルもしくはアップサイクルされた繊維
ペットボトルをリサイクルしたポリエステルや、捨てられた服からアップサイクルされた衣類は、廃棄物を減らし原材料の消費を最小限に抑えることができます。
リサイクル素材を使用することで、衣料品製造における環境フットプリントを大幅に削減することができ、多くのブランドがこれらの素材を取り入れています。
画像引用:https://danandmez.com/blog/pinatex/
6. Pinatex( ピニャテックス)
ピニャテックスはパイナップルの葉の繊維から生まれた革新的なビーガン素材です。
サスティナブルで動物実験などを行わないクルエルティフリーな革に代わる素材です。
ピニャテックスの生産にはパイナップル収穫の副産物が使用されるので、新たな土壌、水、農薬を必要としません。
この使い勝手の良い素材は、主にバッグや靴などのアクセサリーでよく使用されています。
7. バンブー(竹)
竹は成長が早く再生可能な資源であり、柔らかく通気性の良い生地に加工することができます。
竹でできた生地は生分解性があり、生産に必要な水や化学物質も従来のコットンに比べて少なくて済むことが多いのです。
しかし、使用される竹が、責任を持って調達され、環境に優しい方法で生産されていることを確認することが不可欠です。一部の工程では有害な化学物質が使用されることがあるからです。
8. オーガニックリネン
亜麻の繊維から作られるサステナブルな生地です。
オーガニックコットンと同様、オーガニックリネンも合成農薬や化学肥料を使わずに栽培されています。
リネンは、耐久性、通気性が良く、細菌やカビに強いことで知られています。
夏服に最適な素材で、その生産過程は従来のリネンに比べて環境負荷が低いです。
ファッション業界が拡大し続ける中、サスティナブルでエシカルな素材を優先的に使用することはとても大切です。
ここで紹介したような新しい素材を使用することで、衣料品を製造することによる環境負荷を大幅に減らすことができるのです。
これらの素材は、環境にやさしいのはもちろんのこと、現代の消費者のニーズに応える高品質で快適、しかも耐久性のある衣類を生み出します。
これらのエシカルな素材から作られた服を選ぶことで、私たちはよりサスティナブルで社会的責任を全うするブランドを応援することができます。
消費者である私たちの選択は、ファッションの未来を形づくり、もっと健康的で元気な地球を次の世代に引き継ぐ力となるのです。
【出典】
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