ファストファッションと森林破壊
安価なファストファッション、その影響は、溢れかえるタンスや捨てられるたくさんの洋服にとどまりません。
安価な素材に依存する繊維産業は、森林破壊の主な原因となり、世界中の重要な生態系を破壊しているのです。
南米、東南アジア、そしてヨーロッパの一部でさえ、繊維生産のために森林が伐採されています。
ビスコース製造から綿花栽培にいたるまで、ファッションのサプライチェーンは地球から森林を奪い、生物多様性を危険にさらし、地域社会に害を及ぼしているのです。
ビスコースの生産と森林破壊
レーヨンとしても知られるビスコースは、ドレス、スカート、スポーツウェア、裏地など多くの衣料品に使用される半合成繊維です。
木材パルプを原料としているため、ポリエステルに代わる天然素材として販売されることが多いです。
しかし、現実は「グリーン」とは程遠いものです。
樹木を繊維に変えるには化学的加工が必要で、ビスコースの需要は大量の森林伐採につながっているのです。
ビスコース、レーヨン、リヨセル、モダール、キュプラなどのセルロース系繊維を生産するために、毎年2億本以上の木が伐採されています。
さらに悪いことに、この木材の最大30%は、アマゾン、インドネシアの熱帯雨林、カナダの北方林など、古くからある絶滅の危機に瀕した森林からもたらされているのです。
このような破壊は生物多様性を脅かし、世界の二酸化炭素の回収・貯留のバランスを崩しています。
すべてのビスコースが悪いのか?
必ずしもそうとは限りません。
FSC認証(Forest Stewardship Council/森林管理協議会)の森林から責任を持って調達された木材を使用したり、化学物質を環境に放出する代わりにリサイクルするクローズド・ループ生産方式を選んだりしている企業もあります。
オーガニックコットンが従来のコットンよりも優れた代替品であるのと同様に、サスティナブルな方法で管理された森林やリサイクル原料から作られた「環境に優しい」ビスコースは、有害物質の削減に役立つ可能性があります。
ただし、サスティナビリティを曖昧に謳い、グリーンウォッシュするブランドもあるため、消費者は注意をする必要があります。
綿花栽培と環境悪化
コットンは、皆さんがよく知るようにジーンズやTシャツから下着やタオルまで、ファッションで最もよく使われる生地のひとつです。
自然素材でありながら、その環境への悪影響は衝撃的です。
- 水の使用量:コットンは非常に多くの水を必要とする作物で、1kgあたり20,000リットルもの水を消費します。つまり、Tシャツ1枚を作るのに、浴槽10杯分の水を使うことになるのです!
- 農薬: 従来の綿花栽培は、世界の殺虫剤使用量の16%を占め、土壌や水系を汚染しています。
- 森林破壊: ブラジルのセラード生物群では、綿花栽培が違法な森林伐採につながり、ジャガーや巨大アルマジロ、その他無数の種の生息地を破壊しています
より良い選択肢は?
オーガニックコットンは有害な農薬を使わずに栽培され、使用する水も少なく、健全な生態系を保護します。
エシカルでサスティナブルな生産を保証するGOTS認証(Global Organic Textile Standard)コットンを探しましょう。
先住民コミュニティと野生生物への影響
森林破壊は環境問題だけではなく、人権の危機であります。
アマゾン、インドネシア、そしてアフリカの一部では、繊維生産のために森林が伐採され、先住民族のコミュニティが立ち退きを余儀なくされてしまいます。
土地を失うことで彼らの生活様式は破壊され、多くの人々が都市部での貧しい生活に追いやられてしまうのです。
先住民のみならず野生生物にも大きな影響があります。
スマトラ島とボルネオ島では、ファッションのサプライチェーンのために熱帯雨林が伐採され、オランウータンの個体数が80%も減少しているのです。
ブランドは何ができるのか?
ファッション企業は、森林破壊を削減するために調達や生産方法を変える力があります。
そのためにできることを挙げてみましょう。
- サスティナブルな調達
FSC認証の木材を使用し、森林破壊のないサプライチェーンに取り組む。
- 代替繊維
オーガニックコットン、ヘンプ、農業廃棄物から作られた繊維に投資する。
- 透明性
サプライチェーンのトレーサビリティを明確にし、サスティナビリティについて第三者による検証を行う。
- サーキュラーファッション
衣料品のリサイクル、中古市場、レンタルファッションモデルを奨励し、原材料の需要を削減する。
消費者にできること
消費者は、サスティナブルな代替品を選ぶことで、ブランドに影響を与えることができます。
あなたにできることを挙げてみましょう。
1. 買う量を減らし、賢く選ぶ
流行に流されることなく、高品質で長持ちする衣料品を選びましょう。
2. 認証素材を探す
オーガニックコットン、テンセル™(持続可能な代替ビスコース)、リサイクル素材を選びましょう。
3. エシカルなブランドを支持する
サスティナブルでエシカルな生産を優先するブランドをリサーチしましょう。
4. 中古品を買う
古着屋、ヴィンテージショップ、再販プラットフォームは、新しい生地の需要を減らすのに役立ちます。
5. 質問する
買い物をする際には、ブランドに対して調達方法やサスティナビリティへの取り組みについて質問しましょう。
なぜ日本で重要なのか?
日本はアジアで最もファッション消費率が高い国のひとつであり、手頃な価格で楽しめるトレンドファッションの需要が高まっています。
一方で、日本には職人技や長持ちする素材、修理文化を重んじるという強い伝統もあります。
ファッションにこうした伝統を取り入れることで、日本の消費者はエシカルな選択をリードすることができるはずです。
日本で人気のファストファッションブランドの多くは、森林破壊の進んだ地域から素材を調達しているため、消費者が透明性を求めることが不可欠となっています。
エシカルなセレクトショップで買い物をしたり、国内のサスティナブルなブランドを支援したり、中古のファッションを選んだりすることは、日本国内から森林破壊と闘うためのインパクトのある方法です。
ファッションにおける森林破壊は隠された危機ですが、私たち消費者はそれを変えることができます。
情報に基づいた選択をし、エシカルなブランドを支援し、より良い実践を求めること。
そうすることによって、私たちはファストファッションによる壊滅的な影響から森林、野生生物、そしてコミュニティを守ることができるのです。
【出典】
https://www.earthday.org/fast-fashion-and-its-devastating-impacts-on-forests-revealed/