政策でファッション業界を浄化する!
消費者として、習慣を変えることでエシカルファッションをサポートする方法はあるだろうかとよく考えることがあります。
ですが、良い方向へ大きく舵を切るために政策が果たせる役割はないのでしょうか?
2020年1月、フランスでサスティナブルな未来に向けた注目すべき法律が施行されました。
それは、売れ残った商品の破棄を禁止するものです。
この法律が施行されて以来、生産者、輸入業者、流通業者は、売れ残った商品を寄付もしくはリサイクルすることが義務化され、ファッション業界の廃棄方法に大きな変化をもたらしました。
違反すると最高15,000ユーロ(約240万円)の罰金が科されます。
この取り組みは、EPR(拡大生産者責任)という生産者が製品の生産・使用だけでなく、その後の廃棄やリサイクルの段階まで責任を負うという考え方に由来するものです。
これまでEUでは包装廃棄物を中心に行われていました。
フランスはこのEPRの考え方をヨーロッパで初めて繊維廃棄物に導入したパイオニアです。
2020年2月に導入された廃棄物のより広範な管理方法は、廃棄物を最小化し、資源の再利用を最大化するという明確な目標を掲げ、循環型経済を推し進めることを目的としています。
この法律は他にも重要な点があります。
・企業は信頼できる根拠なしに自社製品を「生分解性」や「環境にやさしい」と表示することができません。消費者を欺くグリーンウォッシングの対抗策となります。
・2023年までに、フランスのファーストフード店は、店内での食事で使い捨ての皿やカップを使用しないようにしなければなりません。ファーストフード店の廃棄物を抑制すことができるでしょう。
フランス以外でも、スウェーデン、オランダ、ブルガリア、英国、スペインなどが同様の政策を策定しています。
ヨーロッパの多くの国々が衣類の廃棄物問題へのアプローチを再考しているので、世界のファッション業界は近いうちに良い変貌を遂げるかもしれません。
この先、ブランドは必要な量だけを生産し、より環境に配慮した慣行を取り入れるようになるでしょう。
この地球に優しい取り組みは、大きなうねりとなり、やがて世界的な標準となるかもしれませんね。
日本のサスティナブルなファッション
日本ではメルカリなどが人気になり、消費者が簡単に服をリセールできるようになりました。
一見サスティナビリティへの意識が高まっているかのように見えますが、環境省の報告によると懸念すべき傾向があるようです。
それは、日本の一般消費者約68%が、不要になった服を燃えるゴミや燃えないゴミとして処分しているということです。
リサイクルセンター行きはわずか5%、焼却または埋め立て処分されるのが95%。
フランスの積極的なアプローチと比較すると、日本は廃棄物への意識が薄いように思われます。
日本の環境省は、衣料品の生産が環境に与える影響を認めていますが、売れ残った衣料品の焼却を防ぐような具体的な法律はありません。
サスティナブルな取り組みへのヨーロッパ諸国と日本の現状にギャップが浮き彫りになっています。
日本におけるファストファッションの驚くべき悪影響
・日本製の衣料品1つ2月、25.5kgのCO2を排出し、標準的なバスタブ11杯分の水を使用するのと同等の環境フットプリントがある。
・ファストファッションブームは使い捨て文化を増長させました。平均的な日本人は年間18着を購入し、12着を廃棄する。
・不要になった衣服を約68%の人がゴミとして廃棄する。
ファッション界が環境問題と向き合い、サスティナブルな慣行を確立するために国の政策が果たす役割は最も重要です。
フランスの繊維廃棄物に対する取り組みは、法規制によって良い変化を促す可能性を示しています。
政府がファッション生産者に責任を負わせ循環型経済を推進することで、廃棄物を削減し環境に優しい方向へ変革を起こすことができるのです。
ヨーロッパの生産と廃棄の両方に取り組む総合的な政策が、日本国内の変化を呼び起こすための起爆剤となるでしょうか。
ファッション業界の進化は避けられません。
意識が高まり、技術革新がサスティナブルな選択肢を身近なものにするにつれ、政策もそれに適応することがとても重要です。
ファッションと環境配慮を調和させることがでれば、ファッションは私たちをスタイリッシュにするだけでなく、地球の健康を守ることにもなるのです。
https://eleminist.com/article/1888
https://sdgsmagazine.jp/2022/02/16/4870/
https://www.tamagawa-sangyo.co.jp/information/1446/
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