アタカマ砂漠〜ファストファッションの墓場と過剰消費

南米チリにある美しいアタカマ砂漠に、不穏な光景が広がっています。

世界で最も乾燥した砂漠が、いまやファストファッションのゴミ捨て場と化しているのです。

それは、私たちの消費主義文化の代償を浮き彫りにするものです。

ファストファッションは、電光石火のスピードでランウェイの最新トレンドを一般向けの手頃なアイテムにして提供し続けます。

ですが、この便利さには隠れた代償を伴うのです。

安い価格と引き換えに、環境や社会的公平性が犠牲となっています。

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ファストファッション:環境と人間への悪影響

ファッション業界は年間約9,200万トンの繊維廃棄物を出すと推定されており、その大部分はファストファッションの小売業者から出る売れ残りの衣料品なのです。

サプライチェーンの効率化が進むにつれ、業界では過剰生産を繰り返し、余剰が生じています。

売れ残った衣料品は、焼却や埋め立て、あるいはアタカマ砂漠のような場所で処理されることになります。

過剰消費が止まることなく続くよう、このプロセスは一般的に「見えないように」「気がつかないように」秘密に包まれているのです。

この問題の解決策としてよく提案される古着の寄付は、私たちの消費習慣をより良い方向へ変化させる手段の一つです。

だからと言って、それさえすれば消費過剰文化に染まってしまって良いわけではありません。

皮肉なことに、私たちの行き過ぎた寄付の習慣は問題を悪化させ、古着の余剰を生み出し、受け入れ国(主に発展途上国)の地場産業に悪影響を及ぼす場合もあるのです。

かつてアタカマ砂漠は、その荒涼とした手つかずの美しさと、過酷な環境下での生命力を示す象徴として崇拝されていましたが、いまや過剰消費文化のキャンバスと化してしまいました。

世界で最も乾燥した砂漠は、何千年もの間人間の干渉を受けませんでした。

しかし、今や人々が捨てたファッションでその砂漠は覆われてしまっているのです。

このひどい現実は私たちの世代へ警鐘を鳴らすものです。

どんな服を選ぶのかは単なる個人的なスタイルの表現だけでなく、私たちの価値観や世界に与える影響の表現するものでもあるのです。

お手頃なファストファッションに惑わされ、過剰な消費と廃棄の悪循環に陥ってしまって良いのでしょうか。

私たちが直面している課題は大変なものですが、乗り越えられないものではありません。

まずは、過剰消費を減らすことは全ての人の責任であることを理解することから始めましょう。

私たち消費者は、量よりも質を優先し、サスティナブルでエシカルであることを優先するブランドを支持するという選択を意識的にすることができます。

一方、小売業者はその慣行についてより透明性を高め、サスティナブルな生産方法に投資し、過剰生産をしないように管理する必要があります。

アタカマ砂漠は何百万年もの間、宇宙のサイクルを静かに見守ってきました。
そして今、私たちの過剰消費のサイクルを目撃しています。

耳を澄ませば、アタカマ砂漠が語る人間と自然との関係、そしてその責任についての緊急のメッセージが聞こえてきます。

今こそ、このメッセージに耳を傾け、行動を起こす時です。

ファッションの未来は、地球を破壊させることなく私たちの生活を向上させるような、サスティナブルで思いやりのあるものでなければなりません。

 

【出典】

https://www.ecowatch.com/chile-desert-fast-fashion-2655551898.html