環境破壊が利益を生むファッション業界

データは明確な事実を示します。

エシカルファッションを推進するサイトGood On Youが5,800以上の評価ブランドを分析した結果、ほとんどのファッション企業、特に最も収益性の高い企業は、環境負荷に対して有意義な行動をとっていないことが明らかにしました。

ファッションの環境危機

Good On Youの分析から、明らかになった衝撃的な事実はこちらです。

- 温室効果ガス排出削減目標を掲げている大手ブランドの87.7%が、目標達成に向けた進捗状況を開示していない。

- 最も収益性の高い40ブランドのうち、その環境方針が「Great(素晴らしい)」と評価されたブランドはなかった。実際、これらのブランドの43%が「Not Good Enough(十分ではない)」または「Very Poor(非常に悪い)」と評価された。

-環境、労働、動物福祉の各分野で「Good(良い)」または「Great(素晴らしい)」と評価されたブランドは、全体の9.6%に過ぎなかった。

意味のある進展が見られないことから、透明性と説明責任を義務付ける政府の規制強化の必要性が浮き彫りになりました。

サスティナビリティという幻想

大手ファッションブランドの環境に関する声明は、多くの消費者にとって説得力があるように感じられます。

「2030年までにネットゼロを達成する」とか、「廃棄物とブドウから作られた衣服」といった大胆な主張はサスティナブルなイメージを作り出しますが、よく調べると虚像であることがわかります。

グリーンウォッシング(環境に良いかのような誤解を招く、あるいは誇張された主張)は、消費者の信頼を失い有意義な進歩を遅らせ続けるものです。

グリーンウォッシングについての詳しい記事はこちら
>グリーンウォッシュVS真のサスティナビリティ

大手ブランドに押され気味の小規模ブランド

独立系の小規模なサステナブルブランドは、より良い環境政策が可能であることを証明し、希望の光となっています。

しかし、その影響はファストファッションの巨人たちによる甚大な損害の影に隠れてしまっています。

SHEINに代表されるような大手ファストファッションモデルは、支配的であり続けています。

2024年、SHEINの英国での売上は40%も急増し、環境破壊が依然として収益性の高いビジネスモデルであるという厳しい現実を浮き彫りにしました。

H&MやZARAのようなファストファッションの定番ブランドでさえ、より速く、より安い競合他社に押され気味なのです。

ファストファッションについての記事はこちら
>SHEINのライバル「TEMU」が日本上陸
>SHEINの服から有害な化学物質を検出
>SHEINとTemuデザイン盗用で提訴

説明責任が急務である理由

国連は、ファッション産業が世界の温室効果ガス排出量の8〜10%を占めていると推定しています。

劇的な変化がない限り、産業が成長するにつれ排出量は増加する傾向にあるでしょう。

しかし、最も収益性の高いブランドは、その改善に向けた進捗状況について最も透明性が低いのが現実です。

大手ブランドのなんと88%が、温室効果ガス目標に関する最新情報を提供しておらず、重大な説明責任のギャップを生み出しています。

EUをはじめとする当局は、グリーンウォッシングに対抗し透明性を要求するための新たな規則の制定に乗り出しています。

これには、「エコ」のような根拠のない漠然とした謳い文句の禁止や、デジタル製品パスポートのような措置による詳細な製品情報の要求などが含まれます。

しかし、法整備が進むにつれ、疑問も残ります。

このような努力は、凄まじいスピードで成長し繁栄するファッション業界の破壊的行為を抑制するのに十分なのでしょうか?

行動への呼びかけ

ファッション業界は今、極めて重要な局面を迎えています。

消費者、規制当局、そして小規模ブランドが変化を求めるなか、大企業は責任を負わなければなりません。

サスティナビリティに配慮した透明性と説明責任はもはや選択可能なオプションではなく、最低限必要なものなのです。

Good On Youのデータは、大切なことを明らかにしています。

有意義な進歩を遂げることはできますが、そのためには体系的な変化が必要です。

ファッション業界は、グリーンウォッシュを改めて、地球に寄り添った行動をとらなければなりません。

環境破壊が利益を生むのであれば、地球の未来は危険にさらされたままです。

9.6%のサスティナビリティに真にコミットしているブランドを支持し、43%の最低限のことしかしていないブランドは選ばないようにしましょう。

あなたの選択は強力な声明となり、私たち全員が緊急に必要としている変化を促進する力になるのです。

 

【出典】

https://goodonyou.eco/fashion-climate-inaction/

 

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