SHEINとTemuデザイン盗用で提訴

2022年にSHEINが日本に出店した際、私たちは初めてSHEINについてブログを書き、このファストファッション大手が市場に与える影響について掘り下げました。

そして今年初め、彼らの衣服から有害な化学物質が検出されたという驚くべき事実を取り上げ、彼らのやり方についてこちらのブログでさらなる疑問を投げかけてきました。

SHEINがファストファッションのワーストワンだと思っていた矢先、Temuが登場し、事態はさらに悪化しました。

2024年、私たちはTemuの積極的な市場参入と、酷い慣行について探りました。

そして、両ブランドが悪い意味でのタイトルを独占している今、新たな問題点を検証してみましょう。

それは、ファストファッションの強者たちのダークサイドを浮き彫りにする、「デザイン盗用」についてです。

搾取のパターン

ファストファッションは、流行を素早く真似てコピーし、猛スピードで安価な衣料品を生産する能力によって繁栄しています。

こうした流行の多くは、パリ、ミラノ、ニューヨークといった都市で開催される大規模なファッションショーでデザイナーが作り出す高級ファッション業界から発信されます。

InstagramやTikTokのようなソーシャルメディアプラットフォームも重要な役割を果たしており、インフルエンサーやセレブリティが流行を牽引しています。

ストリートウェア、ニッチな独立系ブランド、そしてヴィンテージスタイルまでもが、ファストファッションの急速な商品展開のインスピレーションとなっています。

これらのブランドは、流行に乗り遅れまいとこれらのソースからインスピレーションを得ているが、その必死さ故にオリジナリティを欠いてしまうだけでなく、倫理的な、時には法的なボーダーさえも越えて、才能あるデザイナーの作品をあからさまにコピーしてしまうことがあります。

独立系デザイナーにとっての代償

独立系デザイナーにとって、大手ファストファッションにデザインを盗まれることは経済的な打撃のみならず、個人的な深い問題でもあります。

デザイナーは、創造性、時間、資源を作品に注ぎ込んでいるにも関わらず、それが剥奪され、商品化されるのを目の当たりにしなければなりません。

自分たちの作品が許可なく複製され、安価に販売されるのを見ることの精神的な打撃は計り知れないものです。

さらには正義を求めることは難しいため、より深刻なものとなるのです。

多くの場合、デザイナーが法的措置を追求することは高額な費用とファッションにおける知的財産法の複雑さのためにほとんど不可能に近いのが現実です。

このようなケースは国際的な性質を持っており、デザインは複数の司法管轄区にまたがってコピーされるため、法制度を利用するのは困難な作業となるのです。

そのため、独立したクリエイターは10億ドル規模の企業に対抗することができず、彼らが成功するために必要な信頼と支援が損なわれてしまいます。

SHEIN VS Temuの法廷闘争

SHEINは長年に渡るデザイン盗用から逃れていたように見えてましたが、話は劇的な展開を見せました。

彼らは今、自分たちを被害者に位置付けているのです。

皮肉なことに、SHEINはTemuが商標を侵害し、著作権侵害に関与し、ソーシャルメディア上で悪質な動きをしたとして訴えています。

2024年8月に提訴されたこの訴訟は、2023年の同様の訴訟に続くもので、Temuが顧客を欺き、攻撃的なビジネス戦術を用いたと非難しましたが、SHEINは最終的に取り下げました。

この事態の不条理さは無視できません。

他人のデザインを模倣することでその帝国を築いてきたブランドSHEINが、今度は窃盗にあったと主張しているのです。

これは、ファストファッション業界がいかに熾烈な業界になっているかを痛感させられるものでもあります。

この種の訴訟は解決に何年もかかる可能性が高く、現在の裁判はすでに2026年に結審することが決まっています。

小規模なブランドや独立系デザイナーがSHEINやTemuのような世界的な大企業に対抗することは不可能に近いことです。

国境を越えてこのような戦いに挑むために必要な時間、資金、資源は、ほとんどのクリエイターにとって手の届かないものであり、10億ドル規模の企業に対して無防備なままになってしまうのが現状です。

消費者にできること

私たち消費者は何ができるのでしょうか。

まずは、このようなファストファッションの怪物での買い物をやめることです。

SHEINやTemu、そして同様に問題のあるブランドに対して真剣にノーと言いましょう。

これらのブランドからアイテムを購入し支援することは、彼らの搾取的行為を助長し、同じ行為を繰り返させるだけです。

その代わりに、中古品を買ったり、地元のデザイナーを応援したり、サステナブなブランドを選ぶなど買い物の習慣を少しずつ、意図的に変えていくのはいかがでしょうか。

このような選択が、ファッション業界に対する強いメッセージとなるのです。

私たちのお買い物は未来への投票です。

購買行動を通して、安価な模造品や手っ取り早い流行よりも創造性とデザインが重要であることを示すことができます。

ほんの小さな一歩のように感じるかもしれませんが、私たち一人一人が一致団結すれば、大きなインパクトを与えることができるのです。

SHEINとTemuに対するデザイン盗用の告発は、ファストファッションにおける大きな問題のひとつのにすぎません。

ファストファッションの利益へのあくなき追求は、独創性や芸術性、そしてファッションの真の精神を犠牲にするものです。

私たちは何度もファストファッションがいかに環境に悪影響を及ぼし、労働者に過酷な労働条件を強いて搾取しているかについて語っています。

それに加えて、ファストファッションはデザイナーや創造性、つまりファッションが象徴するものを脅かす脅威でもあります。

ファストファッションの巨人たちは、アンチファッションのようなものです。

独創的で美しい作品になりうるものを安価で粗悪な模造品に変え、毎日何百着も作るしかない労働者たちによって、規格外の素材を使用して大量生産しているのです。

今こそファストファッションから脱却し、ファッションの真の意味、つまり独創的で芸術的な表現の美を取り戻す時です。

模倣品ではなくオリジナリティが感じられるアイテムを選ぶことで、私たちはファッション業界を再構築し、ファッションの核となる大切なことを守ることができるのです。

 

【出典】


https://goodonyou.eco/fast-fashions-design-theft/

 

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